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2025.04.15

自立訓練(生活訓練)事業所とは? 就労移行支援やデイケアとの違い・利用の流れ・料金もわかりやすく解説

自立訓練(生活訓練)事業所とは?

自立訓練(生活訓練)とは

自立訓練(生活訓練)とは、障害のある方が地域での自立した生活を目指すために、必要なスキルを身につけるための福祉サービスです。

 「一人で身支度ができるようになりたい」「朝きちんと起きられるようになりたい」「人と話すのが怖いけど、少しずつ慣れていきたい」——日常生活に必要な力や社会での適応力を少しずつ育てていくことを目的としています。

主に、発達障害、精神障害、知的障害などを持つ方が対象で、生活の基盤を整える支援が行われています。

制度の背景と目的

この制度は「障害者総合支援法」に基づいて提供されており、以前は長期入院や施設での生活を余儀なくされていた方々が、地域での自立した暮らしを実現できるよう支える目的で整備されました。

「いきなり働くのは不安だけど、いつか自立したい」という思いを持つ方が、自分のペースで準備を始められるように支えるのが目的です。

サービスの基本的な内容

生活訓練では、以下のような支援を受けることができます。

・食事や掃除、買い物などの日常生活スキルの習得
・他者との会話や関係づくりを学ぶコミュニケーション訓練
・自分に合った生活リズムの構築
・ストレスとの付き合い方
・外出するための練習(電車に乗る、買い物に行くなど)

無理なく、少しずつ「できること」を増やしていけるのが特徴です。

「生活訓練」と「機能訓練」の違い

同じ「自立訓練」という名前でも、2つの種類があります。

・生活訓練
 生活リズム、対人スキル、日常生活動作など、暮らしの基盤づくりが中心(発達障害・精神障害などの方向け)

・機能訓練
 身体のリハビリや動作の練習が中心(身体障害の方向け)

この記事では、前者の「生活訓練」について詳しくお伝えします。

自立訓練(生活訓練)の対象者・利用条件

利用できる人

自立訓練(生活訓練)は、次のような方が対象です:

・年齢:18歳以上65歳未満(※例外もあります)
・障害の種類:発達障害、精神障害、知的障害、難病など
・状態:就職はまだ難しいけれど、ゆくゆくは働いたり、地域で暮らしたりしたいと考えている人

就労移行支援を受けるにはまだ早いけれど、少しずつ外に出る準備を始めたい、という方が対象になることが多いです。

「学校を卒業したけど、すぐに働くのは不安」「今は家にいる時間が長いけど、外に出る練習をしたい」といった方も利用しています。

利用開始の条件

利用を始めるには、「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
この受給者証を取得するには、主治医の診断書や意見書が必要で、市区町村の福祉課で手続きをします。

また、「サービス等利用計画」という書類を相談支援専門員と一緒に作る必要もあります。

自立訓練(生活訓練)の利用期間・料金・頻度

利用できる期間

原則として 2年間 利用できます。
ただし、状態や状況に応じて、自治体が必要と認めた場合は延長できることもあります。
「途中で体調を崩して休んでいた」「もう少し練習したい」などの場合に、1年延長されるケースもあります。

利用料(自己負担)

基本的に、費用の 9割は自治体が負担 します。
利用者の自己負担は原則1割で、収入によっては 月額上限が決まっている ので、高額になることはほとんどありません。

自己負担額の目安はこちら:

どの区分に当てはまるのか分からない場合は、まずは事業所に相談してみるのがおすすめです。見学や説明のときに「自己負担額の目安」なども丁寧に教えてくれます。

※交通費や昼食代などは、別途実費が必要な場合もあります。

利用頻度

通所型の事業所が多く、週1日〜週5日まで、個人の状態や希望に応じて利用頻度を選べます。 「まずは週1回から」「慣れてきたら徐々に増やす」といった調整も可能です。

自立訓練(生活訓練)の主なプログラム

1. 日常生活スキルの向上支援

洗濯や掃除、料理、買い物といった身の回りのことを、自分の力でできるように練習していきます。また、金銭管理やスケジュール管理といった「暮らしを計画的に進める力」も身につけていきます。職員が一緒に手順を確認しながら、少しずつできることを増やしていきます。

2. 対人コミュニケーション訓練

あいさつやちょっとした会話など、人と関わる基本的なやり取りの練習を行います。「こんなときどう返せばいい?」「こんなふうに言われたらどう感じる?」といったことを、ワークを通して考えたり、実際にやってみたりしながら、人との接し方を身につけていきます。

3. ストレスマネジメント

不安な気持ちやイライラしたときに、自分なりに気持ちを整理したり落ち着けたりできる方法を一緒に探していきます。深呼吸やリラクゼーションなどの方法を試しながら、「こんなときは、こうすれば楽になるかも」という自分なりの対処法を見つけていきます。

4. 生活リズムの安定化

朝起きて、日中活動するリズムを整えていくことも大切な目標のひとつです。決まった時間に通所することで、毎日の生活にリズムが生まれ、日々の流れを作りやすくなります。「まずは週に1~2回から」など、自分のペースに合わせて取り組めるのも特徴です。

5. 社会参加プログラム

電車に乗って外出したり、買い物に出かけたり、地域のイベントや体験活動に参加したりと、実際に“社会の中に出ていく経験”を積んでいきます。安心できる環境の中で少しずつ行動範囲を広げていくことで、「外に出ること」への自信にもつながります。

6. 就労に向けたステップアップ支援

将来的に就職を目指している方に向けて、働くことへの意識づけや準備も行われます。自立訓練の中で生活面を整えたうえで、必要に応じて「就労移行支援」などの次のステップにつなげていく支援も含まれます。

杉並区にある「いちきゅうリワーク」では、ひとりひとりの状況や希望に合わせた”個別プログラム”を大切にしています。
「どんな働き方が向いているか相談したい」「まずは生活面を整えるところから始めたい」といった方にも寄り添いながら、その人に合ったペースで無理なくステップアップできるようにサポートしています。

“みんな一緒”ではなく、「その人にとってちょうどいい形」を一緒に探していけるのが、自立訓練ならではの魅力です。

自立訓練(生活訓練)の事業所の種類と特徴

事業所にはさまざまなタイプがあり、支援の内容や雰囲気も少しずつ異なります。

■ 障害種別に特化した事業所

発達障害のある方に特化した支援を行っている事業所や、精神障害のある方への配慮がなされている事業所などがあります。それぞれの障害特性に応じた対応がされているため、ご本人の状態やニーズに合った支援が受けられることが特徴です。

■ 年齢層・性別に配慮した事業所

18〜30代を中心とした若年層向けの事業所や、女性専用の事業所などがあります。同年代の利用者が多かったり、同性のみで安心して過ごせる環境が整っていたりと、年齢や性別に配慮した支援が行われています。

■ 支援方針・特色による違い

アートや農作業といった体験活動に力を入れている事業所もあれば、グループでの活動よりも一人ひとりに合わせた個別支援を大切にしている事業所もあります。支援方針や取り組みの内容は事業所ごとにさまざまですので、ご本人に合ったスタイルを選ぶことがポイントです。

■ 運営主体による違い

自立訓練の事業所は、NPO法人、社会福祉法人、民間企業など、さまざまな団体が運営しています。運営する主体によって、支援の方針やスタイルにも違いがあるため、実際に見学をして雰囲気や相性を確かめてみることが大切です。

自立訓練(生活訓練)のスタッフの構成と人員配置

法律で定められている「人員配置基準」に基づき、以下のようなスタッフが配置されています。

・サービス管理責任者(全体の計画と調整)
・生活支援員(日々の活動のサポート)
・精神保健福祉士、社会福祉士、看護師などがいる場合も

また、利用者の体調や特性に合わせて、丁寧にサポートできるようにチームで連携して支援しています。

自立訓練(生活訓練)とほかの福祉サービスとの違い

就労移行支援との違い

就労移行支援は、「働くこと」を目標としたサービスです。

 一方、生活訓練は「働く前に、生活の基盤を整える」段階の支援です。

なお、生活訓練と就労移行支援は併用はできません。まず生活訓練を利用して、土台が整ってから就労移行へステップアップする方が多いです。

デイケアとの違い

デイケアは病院など医療機関で行われている医療的リハビリの場です。
一方、自立訓練は福祉サービスとして、地域生活の準備や生活支援を行います。

目的や環境が異なるため、希望する支援内容によって選ぶことが大切です。

自立訓練(生活訓練)の利用の流れ

はじめて生活訓練を使うときの基本的な流れをご紹介します。

ステップ1:相談・見学

まずは、気になる事業所に電話やメールで相談して、見学や体験利用を申し込みます。
雰囲気や支援内容が自分に合っているか、実際に見てみることが大切です。

ステップ2:受給者証の申請・計画作成

利用するには「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
主治医の診断書が必要になることも多く、相談支援事業所と一緒に「サービス等利用計画」を作成します。

ステップ3:契約・利用開始

受給者証が交付されたら、事業所と契約を結び、利用がスタートします。
訓練は、利用者一人ひとりの状況に合わせた個別支援計画に沿って進められます。

利用後の進路例

・就労移行支援へのステップアップ
・就労継続支援(A型・B型)への移行
・地域での一人暮らしやグループホーム生活
・地域活動支援センターなどへの通所

スタッフと相談しながら、無理のないペースで次のステップを一緒に考えていきます。

自立訓練(生活訓練)のまとめ

どんな人に向いているのか?

・生活リズムが乱れていて困っている方
・人との関わりが苦手で、自信を持ちたい方
・就職するにはまだ早いけれど、外に出るきっかけがほしい方
・地域で一人暮らしをしてみたいと考えている方

「すぐに働くのは不安。でも、何か始めたい」
そんな気持ちを大切に、今の自分に合った一歩を踏み出せる場所です。

自分に合ったサービスって、どう選べばいいの?

  •  生活訓練:まず生活を整えるところからスタートしたい方
  •  就労移行支援:就職をめざして本格的な準備をしたい方
  •  デイケア:医療との連携の中でリハビリをしたい方

迷ったときは、相談支援専門員や市区町村の福祉窓口に相談するとスムーズです。

相談窓口・問い合わせ先

・お住まいの自治体(市役所・区役所など)の福祉課
・地域の相談支援事業所
・ハローワークや地域活動支援センター
・精神保健福祉センター(必要に応じて医療との連携も)

杉並区で自立訓練(生活訓練)をお探しなら「いちきゅうリワーク」で

自立訓練(生活訓練)事業所「いちきゅうリワーク」

「いちきゅう」は、心の病気や発達障害がある方が、生活リズムや人との関わりを少しずつ整え、自分らしい毎日を取り戻していけるようサポートする場所です。

「無理なく、できることから少しずつ」を大切に、安心して過ごせる環境を整えています。

【たとえばこんな方に】
・休職中で生活リズムを整えたい
・働く前に、安心して通える場所がほしい
・毎日を楽しむきっかけがほしい

【主なプログラム】
・ウォーキングやストレッチ
・生活習慣づくり(睡眠・家事など)
・コミュニケーショントレーニング
・就労準備・対人スキルの練習
・カードゲームなどの余暇活動

毎日の過ごし方は、一人ひとりに合わせて無理なく調整。
ちょっとした不安や悩みも、スタッフと一緒にゆっくり整理していけます。

・荻窪駅北口から徒歩2分
・18歳〜65歳未満の方が対象

・障害者手帳がなくてもご利用可能(※医師の診断・通院歴がある方)
・利用期間:最大2年/費用:負担上限月額あり

まずは見学・ご相談からお気軽にどうぞ。
▶︎ お問い合わせはこちら→https://19rework.com/lp#Contact